大人こそ楽しめる絵本が世の中にはたくさんあり、
今回ご紹介する「大きな木」も味わい深く、大人向けの絵本です。
絵本にはただひたすら楽しい絵本、ただひたすらかわいい絵本、ただひたすら心がおどる本など
一直線に感情を揺さぶる絵本もあれば、中には一筋縄ではいかない、読む人の読解力を試すような絵本があります。
大きな木(The Giving Tree)
ある木と、ある少年の物語です。
ここに登場する木はただひたすらに少年のために自分の身を捧げます。
あるときは木のぼりの相手をし、あるときはりんごの実をやり、少年の幸せが自身の幸せといわんばかりです。
しかし、少年が大きくなるにつれて木と遊ぶことも少なくなり木も寂しさがつのります。
たまにくる少年も欲しいものがだわだんと大きくなっていき、それに応えようとする木は自身の身を削っていくのです、そう文字通り。
無償の奉仕の幸せと不幸。親の心子知らずか。
全身全霊で与えるものと、手に入れるもの。それはまるで、親と子の関係を思わせます。
与える側である木は少年の幸せが自分の幸せだといいます。まさに無償の奉仕、愛のなせる技でしょう。
しかし少年は欲しいものが手に入ると木を残しさっさと行ってしまいます。
親とはかくあるべしという方もいれば、少し不健全に思う方もいるかもしれません。
物語の最後、丸太だけになってしまった木の上に、かつて少年だった老人がそこに腰掛けるシーンでこの絵本は終わります。
わかりにくさをこらえてこその味わい深さ
木は動くことが出来ないため、なんとか少年の関心をひこうとしてるようにも見えます。
しかし少年はどこ吹く風で、木の思いにまるで関心がありません。
絵本を読み終わっても作者シェル・シルヴァスタインの意図はわかりません。
木は幸せといいますが、本当にそうなのでしょうか。
解釈はそれぞれの読み手に委ねられています。
木は幸せなのだろうか?
少年は幸せなのだろうか?
あなたはどう思いますか?
まとめ
大人になって英語を学ぶときこそ、このような味わい深い本を読みたいですね。
正直いって、この本の英語はとても簡単です。
もしかしたら物足りないくらい簡単で、ぱっと見た感じ手応えがなくて本を棚に戻してしまう人もいるかもしれません。
しかしこの本のストーリーは一筋縄ではいきません。これまで生きてきた人生の重みすら感じる味わい深い本です。
このような本はくりかえし頭で反すうし、何度も何度も読むことができる本です。
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